まことすけくんが思うカッパの話と、短歌一首

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まことすけくんは昔から、カッパがたいへんに気になる。
見てみたい。でも居たらこわい。
でもほんとは居ないから大丈夫。ってそういってたらほんとは居たりして。
カッパの姿は自分が思ってるまんまだろうか、ちょっとちがうとしたらどこだろか。
つうかカッパは何考えてんだろ、何かを考えてることはたしかだなだってカッパだもの他とはちがうもの。

見てみたい。でも全身みどり。やっぱりこわい。
想像の、ぬめっとした水のなか。
音をたてずに、池のそこの見えないレールをたどるみたいにまっっすぐに。裂くように泳ぐ。
遠い向こう岸に手をついて、ぬるりとこちらを振り返る、カッパ。こわい。
想像のなかでは、頭の皿も、ほかよりすこし濃くなったみどりだった。黄色かと思ってた。


ところで、父さんがなにか言ってる。
「まことすけ、友達の家からの帰りが遅くなった日は、
 暗くない、明るい道を通って帰るんだよ」
「はあい。それって、カッパでも?」
「うん、そうだよ、カッパもきっと明るい道を帰るよね。あぶないから」


3年経った。
また父さんがなにか言ってる。
「まことすけ、いやなことをされてやり返すのはかっこよくないんだぞ。
 やり返したくなっても、ぐっと我慢できるのが、ほんとうは一番かっこいいんだ」
「それって、カッパでも?」
「そう、たとえカッパの世界でも」


3年経った。
また父さんがなにか言ってる。
「まことすけ、テレビってのは不思議だろう。真っ黒い画面にいろんな色が出る。
 テレビのなかには赤と緑と青の光がいっぱい詰まってて、
 それが混ざり合って画になるんだ」
「カッパでも?」
「カッパでも」


そう、たとえカッパでも。
三原色に分解されて、でも赤と青の要素はほとんどないから、
結局ほとんど緑色の光だけで像をむすんで、画面に映る。
きっと頭のうえの皿の色まで。



初出演
テレビの中の
カッパには
いらぬのだ「R」と
「B」の光は


 
by amadatasuku | 2017-01-31 00:45

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